LIXIL、玄関が自動ドアに–後付けOK、工事は1日「DOAC」誕生

LIXILは、自宅の玄関ドアが自動ドアに生まれ変わる玄関ドア用電動オープナーシステム「DOAC(ドアック)」を発表した。リモコン1つで鍵の施錠、解錠に加え、自動開閉が可能になる。8月3日に先行受注をスタートし、9月1日に発売する。

DOACは、電動ドアオープナー、コントローラー、電動サムターン、リモコンで構成され、リモコンの解錠ボタンを押すと電動サムターンが回転して解錠。その後コントローラーが無線電波を受け、ドアを開ける仕組み。再度リモコンを押すと、ドアは閉まる。電動サムターンは乾電池駆動で、ドアの開閉にはコンセントが必要になる。

企画、開発を手掛けたのは、LIXILHousing Technology Japanの新規事業部門ビジネスインキュベーションセンター。住宅の新築着工件数が伸び悩む中、今までの延長線上の商品だけではなく、次の成長につながる新規ビジネス、新領域の商品を積極的に開拓するという趣旨のもと2019年に設立された組織で、今回が初の商品化になる。

 通常の商品開発とは異なり、DOACの企画は約2人、開発期間は約1年という少人数、短期間で進めたとのこと。企画、開発と順を追ってすすめるのではなく、企画と開発、ユーザー調査などを同時並行的に進めていく方式で、ソニーのスタートアップの創出と事業運営を支援する「Sony Startup Acceleration Program」(SSAP)が、マーケティング支援やコミュニケーションデザインに協力をしている。

 もともと、玄関ドアを自動で開閉させるというアイデアはあったが、「誰がなんのために、いつ使うのか」というニーズがはっきりとせず、商品化していなかったとのこと。今回のDOACは、企画構想段階で調査をしたところ、車椅子のユーザーから「あればぜひ欲しい」という意見があり、そこにフォーカスを当てた。

 玄関ドアの自動ドア化は、すでに商品化しているものもあるが、ドア全体を改造したり、ワイヤレスでは使えなかったりと、使い勝手に難があったという。車椅子での使用を考慮し、玄関まわりを改築すると、現時点では引き戸に変更するケースが多く、引き代が必要になるなど、大規模な工事が必要になっていたという。

 DOACは、既存の玄関ドアに取り付けられる汎用性の高さと、工事は約1日という短期間でできることが特徴。工事自体はLIXILと契約している工務店が手掛ける形を想定しており、その際、電動ドアオープナー、コントローラーを動かすのに必要となるコンセント周りも含めて工事を請け負う。防火ドアへの取り付けはできないが、一般的なサイズであればLIXIL製、他社製ともに取り付けは可能。取り付けられるかどうかを事前に確認ができる事前チェックも無料で行う。

 車椅子ユーザーは玄関ドアを使う際、別の人に開けてもらう必要があるなど、ドアの開閉が負担になっていたとのこと。LIXILが商品開発の際にヒアリングした車椅子ユーザーの村田康剛さんは、一人で通勤もこなすが、周りに人がいる公共交通機関使用時とは異なり、玄関ドアを開けるために毎日ヘルパーの方と待ち合わせてドアを開けてもらい帰宅しているという。

 DOACは、玄関ドアの開閉が負担になるという課題を解決できる新商品。「LIXILはこれまでに何百万台の玄関ドアを販売してきた。それを使いやすく変えるのは会社の使命。やらなくてはならないこと」と、企画、開発を手掛けたLIXIL HOUSING TECHNOLOGY JAPAN ビジネスインキュベーションセンタープロデューサーの今泉剛氏は話す。

 車椅子ユーザーだけでなく、高齢者などにも使いやすいよう、ボタンひとつで自動開閉ができるほか、自動的に施錠するオートロック機能も装備。玄関ドアを少し開いて、押すことで全開位置まで開く「オートアシスト機能」も備える。リモコンは最大3~5m程度離れた位置からでも操作が可能。異常な接触を感知したら、すぐにドアの動作を停止するフェールセーフ設計になっている。停電時や電池切れの際は、通常の手動ドアとして使える。

 2つの鍵をつけられる「DOAC 2ロックセット」(セット価格:23万8000円)と鍵1つの「DOAC 1ロックセット」(同:20万8000円)、オプションとして追加用リモコン(同:6000円)を用意。設置するにはこれに工事代金が必要になる。

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